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老いを学ぶ

2014年03月20日

「口呼吸になる原因と、改善法」~お口の健康(13)

歯科医師 小倉才子

前回は噛みしめが身体を緊張させるので顎のマッサージをしてお身体をリラックスさせましょうというお話を致しました。今回は逆にぽかんと口を開いている口呼吸もお身体にとってはよくないことをお話致します。

息を吸う時、鼻から吸うのが正常な呼吸です。なぜなら、鼻呼吸は、鼻毛がフィルターとなりチリやほこりを身体に入らないからです。
では、なぜ口呼吸は、お身体にとってよくないのでしょうか。理由は、下の通りです。
①ほこりが直接喉に届くことで、様々な病の原因になる可能性があり ます。
②お口の中が乾燥してきて、虫歯や歯周病を起こしやすい状態になり ます。
③喉にあるリンパ組織が細菌に感染しやすい状態になり、風邪をひきやすくなります。
④喉の炎症が起こりやすくなり免疫力が低下することもあります。
⑤いびきや睡眠時無呼吸症候群にもつながる可能性があります。

そして、口呼吸になってしまう原因は
①鼻に問題がある場合
②筋肉が衰えている場合
③肥満
などが考えられます。

そこで口呼吸の方が、鼻呼吸に改善するための方法をお伝えしましょう。
まずは
①鼻で呼吸することをご自身で意識する
次に
②湯気を吸う
鼻が詰まって口呼吸になっている場合が多いので、鼻づまりを改善する必要があります。毎日、温かいお茶やコーヒーなどを飲む時に、必ず顎の下から湯気を吸うことを習慣にします。湯気が顎、口、鼻、目と顔全体を覆い、とても気持ち良いです。その状態で鼻呼吸をします。そうしますと1日に5~6回は湯気を鼻で吸う習慣ができます。湯気を吸い始めますと、痰や鼻水が出てくることがあります。その場合は温かいものを召し上がって、どんどん出してしまいましょう
また、10秒~20秒湯気を吸うだけで、1日に1~2分お顔に潤いをプラスできます。

鼻は肺につながっています。東洋医学でいうと肺は乾燥に弱いとあります。湯気を吸うことは肺を元気にすることにもつながります。好きな香りのお茶などを楽しんでみてください。

③鼻の下を伸ばす
上下の唇が閉じませんと、どうしても口呼吸になってしまいます。そこで 鼻の下を伸ばして唇を巻き込むようにして頂くと、少しずつ口が閉じられるようになります。

④呼吸法
一日の中で呼吸に意識を向ける時間を作ってみましょう。
人は無意識に呼吸をしていますが、呼吸はとても大切なことです。意識してゆったりと深く、鼻から吸って口から吐く(鼻から吐くでもよい)を5分程度でもよいから始めてみましょう。最初は5分でも長いかもしれません。その時は2,3分からスタートして、少しずつ時間を伸ばしていけばよいでしょう。
続けていけば、自然に身体が鼻で呼吸することを思い出し、意識しなくとも普段から鼻呼吸ができるようになるでしょう。

口呼吸の方は是非意識して鼻呼吸に改善してみて下さいね。

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